少ない物ですっきり暮らす

10回近くの引越しと、子供の発達障害の特性「片付けが苦手」などを経て、ミニマリストに。お片づけのサポートもやってます。 ライフオーガナイザー®1級/ 整理収納アドバイザー1級/ 発達障害住環境サポーター https://yamaguchi-seiko.amebaownd.com

少ない物ですっきり暮らす

高山活版社さんに名刺を作ってもらいました

【6冊目の本が発売になりました!】

 

  現在、お片付けサポート・講座依頼・雑誌取材等、一切受け付けておりません。個人的なご連絡等、ご遠慮とご配慮のほど、よろしくお願いします。

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 消えゆく活版印刷技術ですが、職人さんの手仕事に惚れ惚れします。

 2015年から色々な方から名刺をいただく機会が増えました。数ある名刺を受け取りましたが、気になる美しい名刺がありました。活版印刷。鉄の文字を組み合わせ、それにインクを乗せ、プレスした印刷なので、紙の表面が文字の部分が凸凹しています。その凸凹面が特に美しく、名刺自体が芸術品のようで、大切に保管していました。

 目次

 

 

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興味のある企業さんへアポイントしてみました!

ずっと個人的に活版で名刺を作ってみたい!という興味と、2016年の震災から何か地元大分の企業さんを紹介できないかな…と考えていました。

そして訪問したのは大分市内にある【高山活版室】さん。

高山活版社にある、活版部署です。活版の現場を見学させて欲しい!というメールを送り、快くOKして下さいました。

 

不用品から生まれた、美の詰まった部屋

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まず最初に案内して下さった高山活版室。この部屋は、もともとは不用品がギッシリ詰まった倉庫で、高山香織さんが「不用品を整理し、5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)を徹底しましょう!」と会社全体で取り組み、できたスペースだそうです。写真に写る道具達は、廃業する印刷所から引き取った活版の道具だそうです。

 

不用品を整理し、活版室を立ち上げ、不用品として消えゆく時代の名器が生かされる場所が生まれた。何だか感慨深いお話です。

 

文字の向こうに、人の息遣いが見える活版

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活版印刷用の文字達。一文字一文字…丁寧に組んで文章を作る気が遠くなる作業です。昔は、文字を棚から出す人・文字を組む人・使った文字を戻す人と、それぞれの職人さんがいたそうです。文字の向こう側に、人と仕事があることが感じられます。

 

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活版の文字を組む作業は、熟練の職人さんの手によって行われます。組んだ文字に隙間があると、持ち上げた時にバラバラと崩れてしまうそうで、ミリ単位のズレも調整が必要な繊細な作業。道具と職人さんの手が美しいです。

 

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こちらは印刷機。ドイツ製のガツンとした作りが機械好きの心をくすぐります。活版印刷の機械と技術は、日本には16世紀に天正遣欧少年使節団がヨーロッパから持ち帰ったとされています。歴史的文化という視点で考えても、活版技術は残していきたい文化です。

 

時には身軽に、細やかに

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大きな活版の印刷機以外にも、コンパクトな印刷機がこちら。活版を気軽に体験できるように、ワークショップなど開催されているそうです。

 

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高山活版室内にある、見積書。昔、活版印刷が主流だった頃のモノだそうです。細かい文字が活版印刷はとても美しく、見とれてしまいます。大きな文字より、細やかな繊細な文字のシャープさが通常の印刷とは違い、はっきり見え、美しい。

 

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文字だけでなく、イラストも活版印刷できるそうです。こちらはポストカード。イラストなどはデジタルデータから亜鉛板の版を制作し、印刷するそうです。このポストカードは高山活版室さんのオリジナル。

 

 

 

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名刺完成!想像以上の仕上がりでした。

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そして、私も名刺を作っていただきました。名前の文字だけの方がミニマルかと思ったのですが、サイトのロゴも入れたくなり、お願いしました。

 

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サイトロゴの「暮」の文字が凸としています。黒い文字が凹み、白い箇所が凸とします。職人さんが3回ほどプレスして下さったそうです。本来、活版印刷は、黒一色…というベタ刷りは苦手とされているそうなのですが、とてもマットな仕上がりにして下さいました。大切に使いたいと思います。

 

見捨てられたものが認められたとき、大きな力が生まれる

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ミニマリストというと、とにかく物を捨てて…というイメージですが、私が大切にしているのは「捨てた先に、何を手に入れたいのか?」そちらを大切にしています。以前、読んだ書籍「この世の中を動かす暗黙のルール」という書籍の中に


 

  見捨てられたものほど、認めてもらいたがっている。

見捨てられたものが認められたとき、そこには力が生まれる。

人が見向きもしないものにこそ、大きな価値が眠っている。

 

高山活版室の高山さんとお話ししながら、ふと、思い出しました。活版技術もコスト面から言えば、デジタル印刷の方がはるかに安い。時代の生産性・合理化と共に、手仕事自体が「もう古い」と見向きされなくなって…。しかし、そんな時代だからこそ、手仕事に大きな価値があるのでは?と個人的に感じます。

 

ただ単に捨てて終わりではなく、大切なことはその先なんだという情熱を、活版室の高山さんの活版への説明一つ一つに感じられ、とても良い機会に恵まれました。

活版にご興味のある方は高山活版室へぜひお問い合わせ下さい。

 

【告知】ラジオに出ます。

9:40〜9:50の間、およそ10分電話にて出演予定です。 

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